毎日1記事、オーダーメイド服について投稿します。
今回の記事はシャツデザインの【タック】についてです。
タック とは?
【タック】とは、ひだを寄せて片側を固定することで部分的に絞ったり、縫いつぶさないことでゆるみを与えたりすることのできる技法です。
メンズシャツでは【袖口のタック】【肩甲骨のタック(アクションプリーツ)】【背中心のタック(ボックスタック)】などが良く使われます。
レディースではこれに加えて、【前肩のタック】などもよく使います。
ゆるみが必要ないときもある?
タックのメリットはゆるみを加減できることにあります。
ただし、オーダーメイドに限った場合で言うと、あまり必要ない場合もあります。
オーダーメイドは体に合わせてゆとり分量を合わせます。
身体の動きを妨げにくく、過度なゆとりは必要ない場合が多いです。
そのため、肩甲骨付近の背タックやボックスタックはデザイン上の意味しか持たず、「動きやすくなるんです!」というワードは嘘になってしまうこともあります。
注意してください。
タックはどの様な時に必要?
タックが必要な時はゆるみ分量を増やしたいときというよりも、【立体的にしたいときに使う】イメージです。
背中の凹凸はタックを使うまでもないため重要ではないです。
肘は、普段はそこまで太くないですが、曲がる時には丸みをおびて太くなります。
そのため、必要な時にだけ開くタックが求められます。
バストに向かう前肩のタックは、ダーツやギャザーなどでも問題はないです。
ダーツの場合は、お客様の体型に完全に合わせる必要があります。
ギャザーの場合は、分量を等分散させなくてはいけません。
タックの場合は、簡単にお客様の体型に合わせやすいです。
これらのことから、タックやギャザーが多く使われています。
縫い目を増やさずに、バイアス方向を使わずに、簡単に体の曲線に沿わせたいときにタックが有用です。
まとめ
【タック】とは、【ひだを寄せて片側を固定することで部分的に絞ったり、縫いつぶさないことでゆるみを与えたりすることのできる技法】です。
ただし、オーダーメイドでは不要なことも多いため、不用意に「動きやすくてオススメです」などとは言わないようにしてください。